(新)「ギャルサー」
「カウボーイが渋谷に」というバカ設定と、古田新太さんの「ジェローニモ 13 世」というあまりにもあんまりな役名に惹かれて視聴。そしたら、これが何と意外に面白かった。これを「面白い」とか書いたら感性疑われそうな気もしないではないですが、実際笑ったしなぁ……。
前述の通り、「カウボーイが渋谷で大暴れ」という鈍器で頭を三回殴られないと思い付かないような設定の割に、その内容は意外とちゃんとしたドタバタコメディ。藤木直人がトラブルメーカーになってあっちこっちで迷惑かけて、あっちこっちで色んな人が状況をフォローする、というような。
で、それを担当するのが佐藤隆太や生瀬勝久さんや高田純次などコメディのベテランばっかりなのでものすごーく安定感があって、素直に面白かったのです。そこに加えて完全にコントな古田新太さんが加わって、笑い的にはそれなりに満足。若干、妙にまどろっこしいツッコミ台詞や戸田恵梨香さんの慣れて無さ過ぎる台詞回しを除けば、滑ったコメディにありがちな寒い台詞や、テンション間違いも無かったのでストレス無く観られましたし。
タイトルになってる「ギャルサー」連中は変にコメディさせたりせず、人間ドラマ(という程のものでもないか)担当にしっかり分けてくれてるから安心して観られましたし、その人間ドラマも哀しくなるほどベタではありましたけど、こんな設定のドラマにしては意外と丁寧に演出されていたのでコメディ部分とのバランスも取れていたように思います。「クロサギ」のように全キャラに説明を付けようとせず、必要最低限のキャラ数で動かしたのも好感。同時に主人公がパラシュートで降りてこようが、ピンチをロープで救おうが、それで醒める程シリアスじゃないとこも。
個人で観ていくと、一番驚いたのは矢口真里さん。何て言ったって演技が普通なんですよ!?(失礼)以前、コントとかで観たときには箸にも棒にも掛からないひっどい演技だったのに、今回は出番は少なかったとは言え普通に観られるレベルだったことに驚きました。これも昼帯ドラマの成果でしょうか。ただ、これから主役扱いの回があったりすると、キッツイだろうなぁ、とは思いましたけど。
新垣結衣は、折角「落下女」で色々と養ったというのに(←思い込み)、コメディ部には割り込まないキャラのようで残念至極。本来こっちの人なんだろうからしょうがないんだろうけど、ちょっとぐらいコメディ部で「受け」させたら光ると思うけどなー。
主役の藤木に関しては、そりゃ上手くはないけどキャラが浮くほど下手でもなかったので及第点かな、と偉そうに思いました。最後の古田さんとの電話は面白かったけどね。「頑張れ」「でも死に神も頑張る」、「ごめん忘れてた」「忘れるなバカ」、これを全部カタコトでやる辺り好き。ドラマなのに。
そういう要素が合わさって、意外や意外、そこそこの完成度のコメディになっていたように思うんですけど……ダメでしょうか。取り敢えず、個人的には今のところ今期一番のオススメ。
それにしても、鈴木えみさんは顔怖くなったよねぇ……前はもっとビジュアルに丸みがあったのに。