「仮面ライダー響鬼」

 おお、なんかゴジラみたいな魔化魍だな。そりゃあ強いよ。東宝だもん(は?)。

 音撃が「効かない」のか、それとも「中和する」のか、若しくは只単に「強い」だけなのか、イマイチ映像表現に統一性が無くて判断に困るが、取り敢えずこういう非常に分かり易い形での「強敵」というのは今までの「響鬼」には居なかった存在なので、個人的にはテンション上がった。ゴジラそっくりだし。間接的に仮面ライダーゴジラの共演。すげーちっちゃいゴジラだけど(まだ言うか)。

 問題は、そのゴジラに対して折角出した装甲響鬼が全然強そうに見えないってことと、このゴジラを倒す方法が次回予告を観る限り、アイテム的な解決方法をされそうってところか。まぁ、ゴジラも科学技術的な施しによって強くなってるわけだから、それは間違いじゃないんだろうが、何か釈然としない感じはするな。「響鬼紅になり、アームドセイバーを貰い、その上まだ何か施されますか?」っていう。そこは、仮面ライダーV3みたいに、「おやっさんに鉄球落として貰って特訓しろ!」とまでは言わないけれど、少年漫画的な創意工夫でどうにかして欲しいところではある。

 響鬼ゴジラの攻撃に倒れるシーンは(いくらなんでも、ゴジラ突然現れ過ぎだろう、とは思ったけど)、ウルトラマン最終回のゼットンの前に倒れるウルトラマンを彷彿とさせて良かったけどね。ヒーロー物の王道、「敗走し、再戦勝利」。初期の頃は「鍛える」ことや、過去のデータベースからの推測等で料理してきたこのカタルシスを、今回どう展開させるのか、そう言う意味で次回は見物。

 ドラマパートでは、今週一番印象的だったのは、やっと転校生がまともに見えたってこと。今まで、浮きっぱなしの台詞が、こいつの鬱陶しさの元凶だったのだなとよーく分かった。今回のように、最初から妙な台詞を喋らずに「ちょっと生意気で、ちょっとハズした変な奴」ぐらいに収めておけば、ここまで鬱陶しく感じなかったろうにね。勿体ない。「たちばな」で、明日夢くんと持田の横で肘付いてたり、バーベキューしながら明日夢くんを急かしていたりするシーンは、普通の良いシーンだったと思ったけど。

 その代わり、持田の恐ろしいまでのストーカーパワーが成りを潜めていたのがちょっと残念だな。終いには帰っちゃうし。まぁ、そのまま居たらゴジラ(若しくはスーパー童子 & 姫)の餌食になっちゃうからしょうがないんだろうけど。心配しつつも、明日夢くんに手を握られるとニヤつくぐらいしか、その片鱗を見つけられず。違うだろう、もっとお前はやれる奴だ!(何の期待だ)

 一方、イブキ、あきら、斬鬼さん、轟鬼の一連のドラマの方は……う〜ん、今週だけではなんとも言えない。正直、唐突な印象が拭えないのがまずある。イブキがあきらから避けられているなら、そういう描写はあって然るべきだし、それが無いからイブキの苦悩やそれに対する香須実の指摘も、なんとなく的を外しているような印象を受ける。つまり、「今のイブキが今のイブキなりに努力した」というシークエンスがすっぽり抜け落ちているから、イブキが苦悩してても机上の空論っぽいというか、響かないんだな。

 斬鬼さんのパートも一緒で、イブキをぶん殴る前にあきらに対してやることあるだろう、と思うし、轟鬼に対しても突き放す前に掛けるべき言葉があるだろう、とも思う。まぁ、斬鬼さんの場合、なんとなく余命幾ばくもない感じがするので、そういう焦りも込みかも知れんが。だったら嫌だなぁ。

 そう言う意味で、今週の響鬼はとても主人公らしくて良かったんじゃないかな。訊かれれば明日夢くんに自分の体験を話して聞かせてやるし、みどりさんとは鬼として対するし、最後負けるし。「サポーターどうした?」とか、色々ツッコミ所はあるだろうけど、そんなにブレが無くてとても安心感があった。まぁ、「響きを聞く」とか若干アブナイ気はするが。

 あきら関連に関しては、もう次回が勝負だな。次回に勝負が付かなければ、際限なく長引くと思う。で、最後グダグダになって……というパターン。轟鬼はキャラ的にすぐ立ち直らなきゃ不自然だが、あきらとイブキは、長引く要素たっぷりなので、そこが心配。頼むよ〜。

 しかしなぁ……こういう話の間に駅伝中継挟むなよなー。朱鬼投入する前に、一話簡潔の軽い話挟んでくれりゃ良かったのに。あー二週間なげーなー。下條アトムさんも久々に出んのになー。