「ABCお笑い新人グランプリ」
年始に放送されたものを人から貰ったので、全 20 組近くを一気に観て、現在胸焼けがします。結果とかは今書いてもあんまり意味無いんで、その 20 組の感想などダラダラと。「今更何書いてんの?」とか言わないでね。だって今観たんだもの。
本戦決勝出場 10 組
- ネゴシックス
- 「阪神球場の清掃員」
- 今回唯一のピン。司会のアナウンサーに寄ると、この時期は「ピン芸人ブーム」らしいけど、その中で残ったのがネゴシックス、というのはちょっと意外。まぁ、誰が他に出てたとか知らないけど。オープニングで全出場者の名前出てたけど確認し切れん。
- いつもの小道具連発系。個人的には、「おお……叩けん……」とか「おお……巻きやすい……」とか、抑えめなときがツボ率高し。ネゴシックス、あんま滑舌良くないからあんまり叫んだり暴れたりすると何言ってっか分かんないのと、ボケが小道具なのが関係してるかも。フリップは、フリップ自体のクォリティに左右されるから。
- どうでもいいのですけど、途中、フリップに「功撃」って書いてあったのに何にも触れなかったのは、ネタなんでしょうかそれとも本気間違い? それが気になってその次のボケ聞き逃した。
- 「ゴミみたいに捨てて言っとるやないか!」
- はだか電球
- 「平安時代の鬼ごっこ」。初見。
- とうとう観たよはだか電球。噂に聞いてた「平安時代の鬼ごっこ」も観たよ。いやー笑った笑った。
- 個人的に一番笑ったのは、狂言の部分……ではなくて、普通に喋る部分。なんて言ったって、元ネタのチョイスが「ファイナルファンタジー」ですよ。しかもPS以降の。クリスタル出ない奴ね。ここで敢えてドラクエじゃなくてFFを持ってくる、そのしゃらくさいセンスに笑いました。
- だって、自分でセフィロスのテーマっぽいの歌ってるのに、やってる画はドラクエなんですよ? そりゃ笑う。しかもこれがすげー唐突に始まってすげー唐突に終わるの。最高。
- 喜味こいし師匠の「本物の能狂言を見た方が良い」という意見には、賛否両論ありましょうが、個人的には賛成。いや、勿論本物そのものを借用しろ、って訳じゃないけど、本物にある要素をしっかり組み込むことで(歩き方とか語尾の処理とか)、逆説的に「訳分からなさ」が向上するような気はします。
- っていうか、あの「アキバ系」ジャージは一体何。
- 「こっちじゃ、こっちじゃ」
- アジアン
- 「早口言葉」
- 何か知らないのですけど、最近テレビでアジアンを観る度、馬場園がツボでツボでしょうがないのです。ボケがどうこうじゃなくて、存在が。出で立ちといい喋り方といい、可笑しくってしょうがないです。
- そこに加えて、異様な数の捨てボケね。拾ってもらう気もなく、完全に「その場で思い付いた」としか見えない上に、そういうボケはしっかり隅田も拾わないんだよ。いいわーその意気いいわー。
- そんで、前から何回も書いてますが、馬場園が漫才続けてる内にアドレナリン出まくってるのがありありと分かる感じが良い。「今時誰もしねぇだろ」な「ウフフフ」笑いもそうですが、あれだけ分かり易く舞台上でハイになる人間も珍しい。
- 町田康の言う「言葉が言葉を呼ぶ」というのもその通りなんですけど、個人的にはそういう精神的にドライブしてる感じも良いなーと思います。故に、二本目のように割とカッチリした構成になると、そういうドライブ感が一気に希薄になって魅力半減でありますよ。
- 最優秀新人賞おめっとさんでした。今更言ってどうすんだ。
- 「ピーターバン!」
- イシバシハザマ
- 「おかしな話」
- 今やすっかりネタ番組(主に「登龍門」)でお馴染みのイシバシハザマですが、その発端はここだったのかな。もう「全身全霊」って感じでヒット率がべらぼうに高かったです。「おかしな話」ベスト版って感じ。
- 正直なところ、イシバシハザマの「おかしな話」って今まで観た中ではフレーズ勝負故の「当たり外れ」が結構あったんですが、ここではそれはほぼ無し。凝縮されたパワー・トゥー・ザ・ピーポーでした(は?)
- ただ、これは個人的なことでありますが、確かに面白いんだけど腹痛くなるぐらいまでは笑えはしないんですよね。別に、そんな笑い期待してないと言えばそれまでですけど。このスタイルで腹痛くさせてくれて涙流させてくれたら、もうそのときはイシバシハザマは完成するのでしょう。そんな大袈裟なもんじゃないか。
- あと、出始めだったってこともあるんでしょうが、手拍子が無かったのが良かったな。
- 優秀新人賞おめっとさんでした。
- 「バーミヤンーのー桃」
- スーパーZ
- 「ワニと闘う」漫才。初見。
- とうとう観たよパート2。名前だけが遠くから響いてくるシリーズ(何のシリーズだ)のスーパーZです。
- いやー、ローテンションの漫才なんて今やもう珍しくも無いですが、まさかローテンションに加えて挙動不審というポジション(ポジション?)がまだあったとは……特にツッコミの方の今にもそこから逃げ出したい感じに度肝抜かれました。若干嘘。
- んで、その様子も可笑しいのですけど、もっと可笑しいのは後半。なんてたってツッコミがあからさまにボケを要求するんですよ。「もっとボケろ」って(いや、このまんまは言わないけど)。これは凄くないですか。どう凄いんだか説明出来ませんけど(えー)。
- 最後の「ワニの背中で刻んだビートには乗れん!」を三回繰り返そうとして途中で空気を読んで止める辺りがかなり好き。
- 「札束に平伏すのは人間だけたい!」
- NON STYLE
- 「河童と宇宙人」。漫才。初見。
- う〜ん……。
- またしても個人的な話になりますけど、最近苦手な「ツッコミの種類」ってのが居て、このNON STYLEの井上は正にそれでした。
- 具体的にどう、というのは難しいのですけど、ポイントとしては「基本的に大声を張り上げ」、「基本的にずっと大声」、「テンションの基本値が高い」の三点。ホントはもっとあるんですけど、他は感覚的なもので上手く説明できません。関西のコンビに多いです。
- とにかく、ボケとのテンションが違いすぎるのですね。テンションが違いすぎてくれればそれはそれでネタになって面白いのですけど、ここの場合そこが凄くちぐはぐな感じで、絶妙に「気持ち悪い」コントラストなのです。
- 例えば日常生活で、「御飯を箸があるのにスプーン使っちゃった」ぐらいのうっすーいボケに対して「何だよそれ! 何で箸使わないんだよ! 箸あるじゃん!」とかでっかい声と高いテンションでツッコまれたら引くじゃないですか。そう言う感じ。
- 要は、「そのボケにそこまで声張り上げなくても……」という感じでしょうか。う〜ん……上手く説明できない……。
- 観てる間、そんなことばっかり考えててネタの印象が恐ろしく薄いです。ごめんなさい。
- 審査員特別賞おめっとさんでした。
- 「しくったー」
- エージェント
- タカオカナ!
- 「アイドルになりたい」。初見
- ごめんなさい。
- 何か、気の毒になるぐらい悉くハマってなくて観てるこっちがどうしようかと思いました。今はもっとウケてるんでしょうか……。
- 「本気で言うてるのん?」
- にのうらご
- 「もしバス事故に遭ったら」。三人漫才。
- 正直、今までにのうらごとニブンノゴ!の区別が付かなかったりしたのですが(だって、トリオだし名前似てるし……)、今回でハッキリ区別出来るようになりました。ばんざーい。
- 個人的に、大竹まことが言っていたこととは別の意味で(いや、勿論大竹まことが言っていたことは重要なんですが)トリオ以上は大変だなぁ、と思うのは、前にザ・プラン9に対して書いた気がしますが、「三人目(以上)に必然性を持たせる」というところに腐心しなければいけない、という点です。
- プラン9は、(漫才に限って)そこを「居て当然のものとして扱う」という力業でその辺をどうにかしてるわけですが、にのうらごは無視するというその上を行く力業で対応してて笑いました。
- 勿論ネタ自体も笑いましたけどね。特に三人目(大竹曰く「地味な人」)の脈絡の無さに。
- 「第一声がそれかい!」
個人的には、最優秀「イシバシハザマ」優秀「アジアン」「にのうらご」、審査員「はだか電球」かな。 8 ヶ月前の賞レースの予想ほど無意味なもんは無いですな。
ゲスト漫才
- 千鳥
- 「ラーメン屋」漫才。
- 既に何度か観たことあるネタですが、何度観ても本当に勇気あるなぁと感心します。
- だって、前半はともかく、後半なんか「間」なんか知ったこっちゃねぇって状態ですよ。これを大舞台でやろうという根性が凄い。流石 M-1 連続決勝最下位(誉めてます)。
- 「メンマだ!」
- 安田大サーカス
- 「部活」
- 凄い………HIROがいっぱい喋ってた………。
- ついこの間の「さんまのまんま」で、HIROが如何にダメか、みたいな話してたけど、あれは相当過去の話なんだなぁ……とちょっと感慨が。だってすげー台詞あったもの。
- クロちゃんも、段々あらぬ方向に行きかけてて、団長の教育がこの時点で実を結びつつあったんだな……と感動。
- それにしても喋りまくるHIROは違和感絶大だ。
- 「クイッ!」
- 笑い飯
- 「良い人」と「財布」のコンボ。
- このコンボも何度か観たことありますが、こういうこと書くと怒られそうなんですけど、「財布」ってヒット率低めですよね……。
- 文章長かったり、オチに行く前にオチが漏れ出てたり、なんかそういうの多め。
- でも、「良い人」は結構好き。あのセルフ殴りが(えー)。
- 「俺のアゴ、アホやからいがんでしもて」
- 麒麟
- 「整形」
- 麒麟って、どんな始まり方しても最終的にナレーションになるのかな、どのネタも。そんなに数観たことないから分からないけど。
- 因みに、この前「ぶちぬき」出たとき、田村が「おしーり!」っていう一発ギャグを発明してました。どうでもいい。
- 冒頭のコロッケの下りでの、「ニセは俺や! いやニセちゃう!」っていうツッコミがセルフボケになってそれにセルフツッコミという田村の見事なひとり相撲が好きです。
- 陣内智則
- 「盗聴」
- 冒頭の「あー暇やなー盗聴しよ」が全てです。ネタそのものも、別につまらないとかじゃないですが、このフレーズに勝るもの無し。陣内界のヒョードル(は?)。
- 電話に、サバンナ・高橋が特別出演してましたが、声だけ響く高橋は、どうしても「それゆけ!ゴロッキーズ」を思い出させます。あれは良い番組だった。
- 「死ね!」
- ますだおかだ
- 「ヤンキーの先生」
- 岡田走り始めって感じ。
- 今、こちらでますだおかだの漫才を観ると、岡田ワールドが恥ずかしげも無く全開なのですけど、この時点ではそれがまだ抑えめでした。
- いつか、岡田とショージさんの全力共演が観たい……というかその場の空気を味わいたい。
- 「出た!」
- メッセンジャー
- 「純愛ドラマ」
- もしかしたら初見かも。自信無し。
- なんか、すごーく漫才らしい漫才を観た気分。
- というか、「会話っぽい漫才」じゃなくて「漫才っぽい会話」という感じか。すごーく理路整然とした雑談というか。ボケとツッコミっていう役割分担は途中で無意味になるし。
- ツッコミの理想に、茶々を入れてボケる……のかと思いきや、そもそも設定が狂ってるという展開に腹抱えて笑いました。正に不意打ち。
- 「鼻デカいだけや!」
あー面白かったけど長かった……。やはり、賞レースはリアルタイムで観るべきですよ皆さん。