「人志松本のすべらない話」

 松本人志千原浩史ほっしゃん。宮川大輔次長課長・河本、バッドボーイズ・佐田が、自らの面白エピソード(すべらない話)を披露。話をする人は、松本の振るサイコロによって決められる、というルールで、 1 時間をお送りするという極シンプルな番組です。

 個人的には非常に微妙な番組でした。というのも、各々の話は流石「すべらない話」というだけあってどれも面白いのですけど、「サイコロが当たった人がすべらない話をする」(逆に言えば、「サイコロで当たってない人はすべらない話をしてはいけない」)という主旨故が、その「すべらない話」に対して、他の五人は最低限の相槌しか打たないのです。そのお陰で、話が終わって笑い終わった後の後味がもの凄く悪い

 具体的に書きますと、例えば誰かがエピソードを披露した後の、こんな松本の一連の動き。

「(笑)」
「あーそうなんやー」
「……」
「……」
「じゃあ、次行きますか」

何だか、折角のすべらない話を漏れなく尻切れトンボにしている様な気がして、非常に勿体ない印象を受けたのです。これだったら、誰かのエピソードに対してツッコんだり、「俺もこんなことある」と自分のエピソードを挟んだりとか、そっちの方が面白かったのになぁ、と。それこそ「松紳」でやってるみたいに。それじゃあ企画として成り立たないのは分かるのですけど……これはちょっと無いんじゃないかなぁ、と思いました。

 芸人の話術って、他人の話をどう活かすかってところにも出るんだし、そう言う面も取り入れて、もうちょっとあの気持ち悪い間をどうにかして欲しかったなぁ、と惜しい思いでいっぱいであります。まぁ、そんな有り触れたこと、端から求めちゃいないんでしょうけども。

 今回、そう言う意味で真にすべっていなかったのは、何故かサイコロで当たりまくり、追いつめられて「姉がレズです!」と叫んだ後、即CMに入った次長課長・河本だけだった様な気がします。