小林さん家の賢太郎くん。

 ラーメンズのDVD-BOX発売に合わせて「TV Bros.」に小林のインタビューが載ってて大盛り上がり!という話を聞いて、DVD-BOXは買えないけどそれぐらいは……ということで普段全く読まない「TV Bros.」を拝読。こういう雑誌なんすね。

 取り敢えず、小林本人が「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」を「最初のラーメンズ」として勧めていて、改めてid:hilocoさんすげぇなぁというのと感謝をする次第であります。あと、自分の感想文で推測してたことが、そんなに大きくは外して居なかったことがちょっと嬉しかったりしました。他にも片桐による各コント解説(殆どが「小林凄い」で要約できるのが微笑ましい)などもあって、僕みたいなそんなに熱心じゃない人間にはアレですが、濃ゆいファンの方には拾うとこが大量にありそうな充実した特集でした。

 で、このインタビューを読んで、前に「オンエアバトル」のビデオを観たときからうっすら感じていたことが確信めいたモノに変わりました。以下は 僕個人の勝手な思いこみ なので、多分ファンの方には一切共感頂けないというか怒り出すかも知れませんので、読み飛ばし推奨。

 何を感じていたかと言いますと、単純に小林賢太郎がある人とカブるのです。そのある人というのは、僕が敬愛して止まない一人である「志村けん」です。勿論芸風が、ということではなくて(流石にそこまでではないのです)、その思想体系というか考え方というか、その辺が。志村師匠と小林の間にウッチャンを挟んでも良い。要は、そういう系譜が勝手に僕の中で出来上がったのです。

 「オンエアバトル」のビデオでのインタビュー部分の、小林のその「ふざけられなさ」がまずカブったのです。他の芸人だと、どんなに真面目な話をしているときでも「ボケそうな余地」ってのがあるものなのです。その典型が松本人志。松本の場合は、本人の放つ空気も関係してるかも知れないですが、とにかくどんなに真面目に語っていても「次の一言でガラッと変えてくるんじゃないか」という感じがビンビンに放たれているわけです。

 でも「オンエアバトル」での小林はとにかく語る一辺倒で、その姿からはどこにも「余地」が感じられなかったのです。これと同じ語り方をする人を僕は二人知っていて、それが志村師匠と内村光良だったのです。とにかくこの二人も、真面目な話をさせたら本当に「余地」が無い。語ることに集中し出す人たちなんですね。そこでまずカブったのです。

 で、今回のインタビューで、相方(小林なら片桐、志村師匠なら一緒にコントする仲間)への接し方の下りでまずその思いが強まりました。志村師匠も小林も「やって貰う」人なのです。これに対するのは松本なんかの「やらせる」人たち。要は、相手に対して役柄を「ハメる」か「ハマって貰う」かの違いですね。まぁ、小林の場合は「二人しか居ない」という制約があるので事情は若干違うかも知れませんけど。

 特にそれを強く感じたのが、「片桐が面白くないのは自分の脚本の所為、自分が面白くなかったら自分の所為」という下り。こう言っておきながら、自分自身の内にはしっかり自信を湛えている辺りも、志村師匠のいつぞやの姿とソックリだったりしたのです。

 決定的だったのは、最後の方での「 30 歳になってやっと本当の『おじさん』が演じられる」という辺りと「気に入ったらダメになる」という辺り。ここ数年、同じ様な言葉を志村師匠の口から聞いて感動した覚えがあります。まぁ、志村師匠の場合「おじさん」じゃなかったですけど。

 そんな感じで、芸風の全然違う志村師匠と小林が(限りなく僕の中だけで)悉くカブっているというか、重なっている様を見て、「こんなところに似たもの同士!」と嬉しくなった次第です。志村師匠はすっかりロートルだけど、小林は自他共に認める「これからの人」で、しかも付いていく人がいっぱい居るような人なわけで、そこで繋がったことが余計嬉しくもありました。やっぱり「必要な心意気」ってのは同じなのかなー……と、密かに受け継がれているというか見えない系譜を勝手に感じて、一人喜んだ次第です。ま、実際に志村師匠と小林を対談とかさせても恐ろしいほどに噛み合わないとは思いますけど。思想体系は似ているかも知れないけど、向いてる方向全く違いますし…。

 とにかく、何が書きたかったと言えば、二つの好きなものの間に一本線が出来て、何だか嬉しかった、というだけの話でありました。ちゃんちゃん。

 あと、最後にどうでもいいことを書いておきますと、当方男でありますが、小林賢太郎のメガネ姿は素直に男前だなぁ、と思います。激しく数学を教えてそうではありますけど。