「人類滅亡と13のコント集」


 予想以上だった!!

 満を持して(あくまで僕的に)ピンで登場したTHE MANが披露したネタは、僕の予想なんか遙かに超えて面白くて、観てる間嬉しい悲鳴上げっ放しでした。まぁ、多少は偶然同じ名前ってのと、随分待ってたってので水増しされて見えてるかも知れませんけど、それでも十分面白かったです。

 事前の予想としてまずあったのが、ピンと言うのと公式サイトの感じからしてちょっと分かり難いところで笑いを狙って来るんじゃないかというのがあったのですけど、そんなものは一切無し。披露されたネタは「不幸の女」に扮したTHE MANがギター一本手に自分の不幸な人生を弾き語る形式。その風貌が、グシャグシャの長髪のヅラに前髪にピン止め、眼鏡の下に眼帯と異様でまず可笑しい(昨日の画像参照)。

 で、ネタの中身は「砂漠・砂漠・私はゴビ砂漠」で始まる、「いかに自分が男に酷い目に遭わされてきて、色々と不幸だったか」を弾き語るわけですが、面白いのはその弾き語りの曲がちゃんとAメロ→Bメロ→サビとちゃんと展開すること。サビにはしっかり「ダディダダディダ」とか決まりフレーズまであって、イントロからアウトロまである(しかもライヴなのにフェードアウト!)という無駄に楽曲として成り立ってる辺り、THE MAN自身のフォークシンガーっぽい歌の上手さ込みで面白さ 7 割増しでした。

 ネタの中心は勿論歌詞なんですけど、冷静に歌詞だけ見ると系統的にはあるあるネタ系で、実はそんなでもないような気がするんですが、そこは構成力。よく明石家さんま師匠の口癖で「笑いは『緊張と緩和』だ」と言うのがありますが、今回のTHE MANのネタはその典型。普通のフォークソング(しかも 70 年代の吉田拓郎みたいな感じ)としてちゃんと構成してある楽曲に乗せて真剣に不幸っぽい話を続けて弾き語った後、ポンとネタをぶち込んでそこから一気にサビに、という見事な展開は感嘆するばかりです(実際はゲラゲラ笑ってましたけど)。特に、最初っから気になってる眼鏡の下の眼帯の意味が分かる辺りは本当に面白かったです。基本歌だから、フリもオチも無いのにここまで面白いという貴重な体験。

 存在を知ったのがこの間のコメフェスですから、大体半年ぐらいでようやく観られたTHE MANは本当に予想以上で、僕は本当に嬉しい限りです。有り難う日テレ!有り難うTHE MAN!只今、無駄に全肯定モードであります。明朝観たら意外と面白くなかったりしてね。

 因みに、調べてたら「THE MAN」という名前は、ピン芸人のTHE MANの方が 95 年から(当時はコンビ)使ってるそうで、僕は 99 年から使ってるので、あっちの方がずっと先でした。つまり、THE MAN側からクレーム入れられたら僕は速攻で改名しなければならないということです!ピンチ!早く考えなければ!まぁ、まず無いとは思いますけども。

 番組自体は先週とそう印象変わらず。番組全体に溢れる頽廃感はホントによく出来てると思うのですが、やはり「何で今、この時間に、このメンバーで……?」という疑問が拭い切れません。