笑いの巣 PRESENTS 「君の席」（3）
バナナマン、ラーメンズ、おぎやはぎの三組が共演するビデオシリーズ第三弾。共演ドラマと映像コントのコンピレーション的様相を呈していた前作、前々作とは打って変わって、三組が共演する一本のドラマが丸ごと入っていました。「君の席」というタイトルの意味も明らかになり、ちゃんと一巻・二巻から引っ張ってきたネタもあり、三部作の完結編として相応しいビデオでした。
6 人が共演し、しかも 6 人とも主人公という上手い具合の群像ドラマに仕上がっております。 6 人が 6 人とも関係しているので、例えばバナナマンだけ、とかそういう場面が一切無いのが素晴らしいです。それでこそビデオの帯に「バナナマン・ラーメンズ・おぎやはぎ」と名前が並んでいる意味があるというものです。その中でも強烈なのは、やはり日村と片桐のコンビ。見るからに頭おかしそうな二人の画は、筆舌に尽くしがたい何かがあります。他の 4 人も設楽は典型的な“ちょっと抜けたイイ奴”、小木は持ち前の変態性を抑えた“変人”、矢作は胡散臭さ全開、小林は手堅く裏も表も“普通の人”をそれぞれ好演。三部作の中では、言い方は悪いですが、一番この三組の“汎用性”がよく出ていると思います。
こういうハートウォーミングコメディ的なものって、わざわざ芸人連れてきてやるもんかなぁ？という疑問は多少あるものの、三部作の中では一番理に適っていたし、出来もよく出来たビデオでした。でもやっぱり、一番面白いのは特典映像だったりするんですよねぇ……まぁ、本編の方はそう「笑える」と大手を振って言うものではないから当然と言えば当然なんですが。
