ラーメンズ第 6 回公演「FLAT」

 う〜……これはどうしたものだろう。面白くない訳じゃないんですが、何か決定的に「物足りない」です。なんというか、観てて「そこで終わるの!?」みたいなマイナスの方の驚きが多かったというか……こういうラーメンズの“初期”を観ることで、今まで観てきたビデオでのラーメンズの「成長の結果」に思いを馳せられる、と言う意味じゃ、この驚きもある種の「感動」なのかも知れませんけど。

 そういう「物足りなさ」を最も感じたのが、ラストに収録されている「プーチンとマーチン」。同名同設定のコントが、僕が一番最初に観た「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」にも収録されていて、そこで観た「プーチンとマーチン」と比べると、どうしても大人しく見えてしまい……という具合。「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」で観た「プーチンとマーチン」は、コンビネーションの妙で丁々発止のやりとりが感動的なのですけど、こちらは良くも悪くも「ああ、原型だなぁ」と思われてしまうのです。

 これ以外のコントもまだどこかもっさりしているというか、まったりしてるというか、そんな感じを受けるのです。引っ越しコントの様に、分かり易い「コント」だったらまだ良いのですが、一本目のコントのように得意の演劇要素が入ってくると、途端にその「もっさり感」が漂うのです。まだどこか、リキんでる感じを受けてしまうのかも知れません。今までのビデオと違って、客との距離もえらい近いですし。

 でも、小林の酔っ払い演技にはちょっと感動しました。あれにリズムが付くと「ATOM」のラッパー演技になるんだろうなぁ、と小林の演技のバリエーションの変化に注目するのも、ちょっと面白かったです。

 ……よく考えると、ここからたった一回公演を経ただけであの「椿」に行き着くんだよなぁ……そこに気付くと、ちょっとだけ身震いします。きっと小林は、毎公演毎公演、僕みたいな素人には気付かないようなところまで反省点にして改善して行ってるんだろうなぁ。恐ろしい。