TAK MATSUMOTO「THE HIT PARADE」

いつの……


 えーと、微妙。


 ……まぁ、それだけじゃあ流石にあれですけども、大方の予想通り、非常にビミョーなアルバムでありますね。

 収録曲の 17 曲中、数曲しか原曲知らないので、殆ど初聴きの曲なのですが、曲は本当にどれも良いですよ。どれもこれも普通に「こりゃ良い曲だ」と素直に思える曲ばかり。「勝手にしやがれ」とか「Paper Doll」とか、今発売されたら間違いなく買いますよ。

 何か知りませんけど、松本さんがエライ気合い入っておりまして、下手したらB'z以上にガシガシ弾きまくっているのですよ。ヴォリュームもでかいですし、フレーズもかなり詰まってますし、あー気合い入ってんだなぁ、ということが伺えます。

 ですが、その所為で殆どのヴォーカリストとの間に強烈な温度差があって、何だかウズウズするんですね。大体、ビーイングの人というのは、大抵歌は上手いけど、異様に匿名性が高いので、余計に温度差が表面化しています。特に上原あずみの歌う「少女 A」なんか、バックで弾きまくってる松本に、気入れてんだか気抜いてんだかよく分からない覇気のない声が乗っていて、違和感強烈です。

 あと、サウンドも生ドラムの筈なのに打ち込みに聴こえたりと、ミックスのやり方が妙で、そこにも違和感があります。

 グループ内鎖国みたいな状況で作ることが、全て悪いとは言わないですよ。言わないですけども、やるならやるで、もうちょっと選びよう無かったんかい、と思うわけです。そんなわけで、微妙。

 ただ、「生きてるってなんだろ生きてるってナ〜ニ」でお馴染みのインスト「SPINNING TOE-HOLE」と、ヴォーカルっつうか、それただの芝居じゃん!コントじゃん!みたいな「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」にはかなり笑わせて貰いましたが。特に後者は、聴いてる間、若手芸人のショートコント観てる気分になりました。