井上雄彦・著「バガボンド」(ISBN:4063288714)

 この漫画を連載し始めた頃から、徐々に徐々に、作家的自意識を肥大させ続けている井上雄彦。現在、原作とは既に「別物」。名前だけ借りてる状態であります。「画」で魅せよう、とするあまり、読者を退屈へ誘うような真似もしておりますが、これからどうなるのでしょう?

 個人的に、宍戸梅軒の話は原作の方が断然好き。寝ている梅軒の首に、鎖鎌を置いて「お休みなさい」という場面なんて、武蔵の梅軒に対する色んな感情を程良く表していて最高だと思うのだけど。何で、こっちを使わなかったのかな〜……。

 小次郎編は、これからだからまだ分からないけれど、どうして一刀斎をあんなキャラに仕立て上げたのか、よく分からん。