「めぞん一刻」

 典型的なダメドラマだった。役者にコメディセンス無さ過ぎ、とか演出にテンポ無さ過ぎ、とか言いたいことは山ほどあるけれど、取り敢えずその画面の圧倒的な安さは何なんだ!?

 とにかく「一刻館」が安い。とにかく安い。いや、元々オンボロアパートの設定ですけど、木の柱がどう見ても発泡スチロールにしか見えないとか、木目がどう見ても水彩絵の具にしか見えないとか、それは「オンボロ」とは違うだろ!? それにどうでもいいところで入るバレバレの合成は一体どういう要請なんだ!? ロケしてんのに自然光に見えないってどういう撮り方をしたんだ!?

 そんな感じの背景に、とにかく喋るところを撮ってるだけのテンポもセンスも感じない演出とアングルが合わさって、もうぐにゃぐにゃ。

 役者陣に関しても、主役の人は初めてにしては頑張ったと思うけれど、伊東美咲さんに関しては「これでもか!」という程柔軟さの欠片も無い表情で全てが台無し。もっとコロコロ表情変わんないんだろうか……。岸本加世子は個人的に嫌いなので別の人に欲しかったし、岸辺一徳の持つ不気味さと四谷さんの不気味さは別ベクトルだろうと思うし………。

 結局、「主演は伊東美咲」と発表されたとき、胸焼けがするほど見かけたファンの反応が、そっくりそのまま出たということでしょうか。それはそれで凄いな。「どうせお前らこうなると思ってんだろ? じゃあそうしてやるよ!」って感じ? どうでもいいっすね。