「爆笑問題の検索ちゃん SP 」

 今年の最後の放送ということで、レギュラー・準レギュラーがネタをする特別編。出演は爆笑問題品川庄司次長課長友近タカアンドトシ陣内智則。そんで小池栄子

 最初聞いたときは「検索関係ないじゃん……」などと思ったりしましたが、いざ始まってみたら非常に正しい演芸番組だったので楽しく観ました。もしかしたらある意味 M-1 より楽しく観たかも知れない。

 まず、「時間無制限」というのが素敵。まぁ、テレビだから完全に無制限なわけじゃないし、事実ところどころに編集の跡が見えたりしましたが、90 分の放送時間で、ネタをやったのがたった 6 組(しかもミニコーナー等もトーク以外一切無し)というところからも、その芸人への親切っぷりが分かろうというもの。

 お陰で芸人達はのびのびしっ放し。陣内はネタがネタだけにいつもと一緒でしたけど、漫才組は本ネタがもの凄く長尺( M-1 の軽く倍以上)な上に、加えて「前座トーク」(本ネタに入る前の客席を暖めるための軽いフリートーク)のようなものもあって、本当の意味でも「実力」を発揮していて最高。特にタカアンドトシはキマりまくっててもの凄かったです。

 次長課長友近のコント組は、長尺になったお陰ですさまじい数の捨てボケ(というか趣味丸出しのボケ)が抱腹絶倒(そうか?)。特に友近は、「吹き替え声優ネタ」だった所為で、「外国ドラマの吹き替え」などの王道ネタから船の CM まで「やりたいことやってやんぜー!」を全身で表現していてたまらんかったっす。

 そして、もっとも良かったのは、ネタ後のフリートーク。普通のこの番組ならどうしようもない話題で盛り上がっても良さそうなもんだけど、太田を中心にあくまで「芸人としての話」「ネタについての話」に集中していて、ちょっと「芸人定期集会」でも観てる気分になりました。とにかく、凄く真摯な時間で好感度高かった。

 特にそれが顕著だったのは、友近平成教育委員会のナレーション声マネをした際に発したフレーズ「ビビる大木くんの答え」を、品川と太田が分析したシーン。内容は「ビビる大木は(平成教育委員会に)そんなに出てないのに、ありそうなフレーズに聞こえる」(品川)「『ビビる』『大木』という発音が、機械音の特徴をよく捉えている」(太田)というようなものなんですが、それを茶化すでもなく緊張するでもなく「ごくフツーに」話し合ってる感じがまた良かったですな。

 これ、恒例にならないかなぁ。でも、そう何度もこの番組に 90 分あげるほどテレ朝も優しくないかな……だったら、各局こんな親切な番組増やしてくれよ!