(新)「クロサギ」

 山下智久君、堀北真希さん、山崎努さん……と好きな出演者盛り沢山なので視聴。原作は何故か 3 巻と 4 巻を除いて 8 巻まで読了済み。

 現実として、テレビドラマと漫画を全く同じにすることはほぼ不可能なので、「キャラが違う」とか「このキャラ要らないだろ」とか今更言うつもりはありませんけど(特に原作ファンというわけでもないし)、それにしてもちょっと交通整理が杜撰。変に登場人物多くしたからには、それなりに上手く捌かなきゃいけないのに全キャラの説明を済ませようとし過ぎてて、その煽りで本来集中すべきシーンに何にも集中しておらず、メリハリのある演出が殆どされていないのが勿体なかったです。

 特に、この第 1 話ではこれからのためにも杉田かおるとの駆け引きはもっと緊張感持って描くべきだと思うし、山崎努さんとの関係ももっとちゃんと示唆するべき。それなのに、杉田との駆け引きは堀北さんのバカ騒ぎの片手間に描かれてしまっているし、山崎さんとの関係性なんか山崎さんの演技と加藤浩次の説明台詞に丸投げという処理の仕方は、何だかなぁと。せめて原作みたいに「にこやかに話す黒崎と桂木」「その裏の事情」と言う風に対比したりして深みを出して欲しかった。

 それに、題材が題材だけに色んな用語が出てくるのに、それらがほぼ説明無しというのも……どうせなら、フジテレビで前にあった「カバチタレ!」(あ、これにも山下君出てるじゃん)みたいに、字幕で説明、とかしてやれば良かったのに。

 逆に「しつけぇよ!」と思ってしまったのが哀川翔アニキ。別に、1 話からいきなり色々追い回してるのは良いんですけど、その出てくるタイミングがいちいち話の流れを止めてるのは如何なものか。黒崎のクライマックスに一般人からの通報(しかも詐欺)でパトカーが難題も出動という絵面に至っては「んなバカな!」の一言。しかも、アニキ一生懸命探してましたけど、黒崎の顔知らないのに一体誰を探してたのエレベーターで。現時点ではアニキはまだ「黒崎に狙いを付ける」ぐらいでいいのに、何故そんなに急いでいるのか意味が分からない。

 他にも意味無くインサートが多かったり、いちいち話がなかなかスムーズに流れないので、なんか 1 時間が妙に長く感じてしまいました。締めるべきところで締まらないし、かと言って和むようなシーンも無くメリハリに欠けて、ちょっとイライラしたぐらい。ずっとシリアスなシーンを維持するにしたって、それなりの緊張感が必要なのにそれも無いし。BGMもなんか軽いし。

 演技に関しては、山下君はまだまだこなれてないなぁ……という印象。こなれてないどころか、たまに脱力してしまうのですが、まぁ「野ブタ。をプロデュース」のときも序盤は全くこなれてなかったので、回を重ねる毎に良くなるタイプの役者さんなんだろう、と好意的に解釈しています今のところは。堀北さんは特に何も言うことなく、山崎さんは最後の「人間は面白い」で「きゃー」ってなりました。山崎さーん(?)。

 僕は、原作を「とんでもなく面白い!」と思っている人間ではありませんけれど、それにしても色々勿体ないなぁと思わせる 1 話でありました。取り敢えず、まずはその不必要なぐらいのアップの多さをどうにかして欲しいな……。

 ところで、「裸にサスペンダー」って何イメージですか?