「内村プロデュース 創世紀」

 見終わって一番強く思ったのは、「今は恵まれている」ということでした。

 だって、ここに収録されてるメンバー、「パラシュート部隊」に「アクシャン」、「あさりど」とかですよ。彼らには申し訳ないですけど、目眩がするショボさです。それに比べて、この間の正月スペシャルの面子を思い浮かべてみて下さい。次長課長バナナマン品川庄司などなど、圧倒的に華が違います。これは、単純に「時代が違うから」とか、「現在の姿を知っているから」とか、そんなものでは片付けられない差です。

 その上、「一発芸大会」でのここに収録されているものと、つい最近「内P」の同じ様な企画でのクォリティの凄まじい差を考えても、この 5 年、芸人界(そんなものがある、と仮定してですが)というものは凄まじい開花を繰り返してきたのだな、と痛感されます。誤解のないように一応書いておきますが、当時にも勿論、現在活躍している芸人達と遜色のない実力を持った芸人は居ましたし、上に書いた芸人が「死ぬほどつまらない」とかではないですよ? しかし、そういう芸人達がこの番組の企画での「大勢」に沢山組み込まれるぐらい、今の層は厚くなったのだなぁ、ということです。

 たかが 5 年、されど 5 年。あぁ、「笑い」に於いて私は今すごーく贅沢な期間を過ごしているのであるなぁ、と何か色々と噛み締めたくなりました。

 で、内容の話をしますと、ウッチャンの一人コントや、温泉で思わず「たーのしー!」と叫んでしまうぐらいのはっちゃけ振りが色んな意味で「若けーなー」と嬉しくなっちゃうのですが、それよりも印象的なのはふかわのトンガリ振り! ウッチャンをひたすら「ウッチャン」と呼び続け、隙あらば上位に立ってツッコもうとし、諸先輩芸人にも平気で「〜〜じゃねーよ!」というツッコミをしたりと、今のグズグズでグダグダな芸風(芸風?)とは全くかけ離れた、正に「駆け出し芸人」って感じです。

 ……と言っても、根本的には今のふかわが既に確立していて、こんな横柄で生意気な態度を取っても、動作は遅いし殴られるし叩かれるし転がされるし、今のふかわと殆ど変わらない扱われ方。あとはただ、ふかわが流れに逆らってるか流されるかの違いであります。「内P」を連続で観ていけば、その変遷も楽しめることでしょう。というわけで、続編希望(そんな理由?)。

 さまぁ〜ず(当時バカルディ)の初登場は、何よりも三村の痩せっぷり。それが衝撃的過ぎて後の印象は薄いです。この人が後にハンプティダンプティみたいになるかと思うと、笑っていいんだか哀れんだらいいのかよく分かりません(というか、特典映像で既にハンプティダンプティ三村が登場しているので、手軽に見比べられます。見比べると息子と親みたいです)。ただ、このときはまだウッチャンとの絡みがぎこちなくて、それを観ると今の関係性を考えて、すごーく和やかな気持ちになりますけどね。

 こうなったら、どんどんリリースして欲しいですね。ある意味で資料的な意味もあるだろうし、単純に観たいし。「ブルース・リーをプロデュース」とか「溺死体役をプロデュース」とか、カットするには惜しい素材も現時点で既にあるし、どしどしリリースして欲しいな。そんでもって、これをきっかけにして「さまぁ〜ず改名対決」とか「くりぃむしちゅー改名対決」とかの「気分は上々」のDVDも出して下さい(関係ない)。