「魔法戦隊マジレンジャー」

 今回の話は、確かに面白かったんだけども、次回予告でのウルザードシャア専用ででも可)のカッコ良さで全部吹っ飛んでしまった。何だあれは。反則だ。ウルザード紅って……! 格好良すぎるじゃねぇか……!

 そんなわけで、本編の印象は薄くなってしまったのだけど、その中でも燦然と輝くのは「列車内での斬り合い」!! あの狭い空間(人ひとり通るのがギリギリの通路!)で、飛び、跳ね、避け、斬り、突き、倒す! 最高。ここのアクション担当した人、グッジョブ!!

 欲を言えば、もっと何車両にも渡っての追撃なんかも演出して欲しいとか、アニキも参戦して欲しかったとか色々あるけれども、そこまでは求めまい。そうじゃなくても充分満足出来る画だったし。こういうとこを見習って欲しいのだよなぁ、「牙狼」とか「リュウケンドー」とかには。マーシャルアーツやら何やらの動きを取り入れればカッコイイアクション、というわけではないのだ。要は「空間を如何に使いこなすか」という話。

 話の方の印象は更に薄れてしまうのだけど、ティターンことアフロ君は「無益な殺生は好まない」のに「皆殺しする神罰執行」(ヘビのときみたいに殺さない方法もあるのに)というとてつもない自己矛盾を抱えていたのに、マジピンクに指摘されるまで気付かなかったというのは流石に阿呆過ぎないか、という気はした。

 そこは、1 シーンでもいいからその矛盾に苦悩している姿を描いてから、「そしてピンクに背中を押された」という形にすれば、アフロ君も報われるだろうに。いや、もしかしたら来週に裏切りがあるからそうしなかったのかも知れないが。それだったら別に、「植物を育てるのが好き」とか、「命を大事にする」という設定に説得力を持たせる設定がもう一つ欲しかったな、という感じ。

 ま、スフィンクスもようやく具体的に動き出し、インフェルシアの神々も今までのような順番ではなく、入り乱れての攻防が開始され、いよいよ面白くなってきた。取り敢えず注目は、スフィンクスがどう動くか、だな。下手すると「インフェルシアと人間」の関係に於いて、アフロ君よりも重要な役割。「人間の事情を理解した上で破壊する冷酷キャラ」なのか、「人間に興味を持つ存在」なのか、果たしてどちらに落ち着くやら。