「お台場明石城NOMAD」

 佐々木アナの痰が絡んだ呼び込みでスタート。

 今週のプレゼンターは、 11 ヶ月ぶり登場のくりぃむしちゅー。前回、「さんま・くりぃむのミテカルチョ」を雨傘番組としてレギュラー化を推したものの、可能性があった特番枠の裏には「さんま御殿」や「世界一受けたい授業」等があったために立ち消えになった経緯があり、今回はそのリベンジとなります。

 用意した企画は「さんま・くりぃむのはじめまして」。注射打つのが初めての人を呼んで……という企画ではなく、さんま師匠が会ったことがない人と橋渡しをして、ツーショットトークを実現する、という企画。狙いは「ぎくしゃくするかも知れないけど、ここで絡んでおけば『御殿』『から騒ぎ』で弾けられる」という最終的には日テレのための番組らしいです。

 初めての番組ということで、まずくりぃむが「恐らく会ったことがないだろう」という人物をピックアップ。まず最初はカルロス・ゴーン。有田に「何話しますか」と訊かれたさんま師匠は

「あまりにも話すことないから、夜何着て寝てますか? とか……」

えー。

 有田の提供する情報も「趣味は読書」「ブブカとか読んでるかも」とか、日産提供の枠が金曜エンタ(ドラマ)枠しか無いと聞くや「ドラマ仕立てでトークを」とか、役に立たない情報のオンパレードなので、次へ。

 お次は俳優の山崎努さん。これは僕も観たい。さんま師匠は、撮影所で挨拶した程度だそうです。ここはさんま師匠もさっきよりは乗り気だったのですが、有田が勝手に趣味・草野球を答えてしまったので次へ。

 最後は舞踏家・俳優の麿赤兒さん大森南朋さんのお父さんと言えば分かる人も多そう。さんま師匠もBSでドキュメンタリーを観たことがあるそうで、興味ありそうですが、いざ上田に訊かれると

「(興味は)持ってない!

と崩れ落ちてしまいます。それは失礼。

 「観たい人がいるか分からない」「こういう顔の人が俺を理解してくれるわけない」とさんま師匠にしては珍しく消極的。しかし、そんなさんま師匠を差し置いて、くりぃむは強引に企画実現に向けて進みます。なんと、その場で麿さんの事務所に電話で直接出演交渉を開始。

 この、有田と麿さんの事務所マネージャーとの交渉の様子が傑作でしたので、ノーカットでお送り致します。

マ「はい」
有「あ、おはようございます。突然電話すいません。麿赤兒さんのマネージャーさんでしょうか……?」
マ「そうです」
有「あ、すいませんはじめまして。わたくし『さんま・くりぃむのはじめまして』という番組をやってますAPの有田と申します」
マ「宜しくお願いします」
有「お願いします。実を言いますとですね、突然のお願いなんですけども、うちの明石家……明石家ってご存じですかね?
マ「はい」
有「明石家さんまなんですけども、うちの明石家がですね、あの……是非このトーク番組で麿赤兒さんとツーショットでお話をしたいと……いうことになりまして、あの……スペクタクル性の高い舞台演出というものに非常に興味をお持ちで……」
マ「はいはい」
有「是非その話をちょっとゆっくり聞かせて頂きたいということなんですけども、出演の方ってお願いできますでしょうか……?」
マ「いや、出演の方は構わないんですけど、スケジュールの方は……?」
有「スケジュールですか? ちょっと決まってないんですよ
マ「えーと後々っていうことでしたら全然」
有「そういう番組……このバラエティ番組っていうかトーク番組なんですけども、そういうのに出て頂けると言うことはお約束頂けるんでしょうか……?」
マ「それは構わないですよ」
有「あ、そうですか!」
マ「はい」
有「もしも、そういうのはあんまり喋らないんで……とかそういうのがあるんだったら、と思いまして……」
マ「あの、慣れてはいないので……」
有「あ、そうですね慣れてはいらっしゃらない……」
マ「はい」
有「こちら決まり次第、第 1 回目のゲストという形になっているんですけども……」
マ「はいはいはい」
有「ちょっとスペシャルなんで、多分 3 時間とか……」
マ「はいはい」
有「さんまさんとのツーショットで 3 時間っていう形になるとは思うんですけど」
マ「はいはいはいはい」
有「もしかしたら晦日の年またぎっていう風に……」
マ「あ、分かりました」
有「はい」
マ「えと、3 時間って麿だけじゃないんですよね?」
有「いえ、麿さんだけです
マ「麿だけで 3 時間!?
有「はい」
マ「えっと、それは……だ……大丈夫なんですかね? 僕が訊くことじゃないかも知れないですけど」
有「いや、それはもう、うちの明石家がとにかくやってみたいと」
マ「あ〜分かりました」
有「大晦日、出来ればですけど紅白の裏ぶつけたいという……ことまで……それほど興味お持ちなんですよ」
マ「あ、分かりました。それでですね、うちは、実は公演が……えーと 12 月の 16 、17 、18 と公演が御座いまして、えーとね、それはちょっと交わして頂きたいんですよね」
有「……逆にそっち空けて頂くわけには?
マ「え?」
有「もし、こっちが敢えてそこにぶつけるみたいな形になった場合ですね、ちょっとそこは一日だけちょっと空けてもらうみたいな形になるかも知れませんそれはすいませんホントに」
マ「いやいや、空けて頂く形っていうのはどういうことですかね?」
有「麿さんはちょっとそっちの演出は控えて頂いて……来て頂く可能性もありますけど」
マ「いや、そうじゃなくて、もう舞台が、公演が決まっちゃってるんで」
有「なるほどなるほど」
マ「しかも、うちの麿の公演なんですよ。踊る方の公演なんで、それはもう無しってことは出来ないんですよね、もう」
有「来年に延ばすとかいうことは」
マ「それはもう全然無理です。チラシも出来ちゃってるし」
有「じゃあそうですね、一個そっちに借りを作ったっていう感じじゃないですけども、そしたらまぁ、もうそれ以外の日で、必ずやらせて頂きますので」
マ「あ、すいませんけど」
有「すいません、宜しくお願いします」
マ「はいはい」
有「じゃあ大至急連絡させて頂きますので、決まり次第。ご迷惑はおかけしないようにしますので」
マ「すいません」
有「すいません、ありがとうございました」
マ「宜しくお願い致します」
有「お待ちしております〜。失礼します〜」
マ「失礼します〜」

いつの間にか広げられた大風呂敷に、戦々恐々とするさんま師匠に、有田「向こうがあんなに来るとは思わなかったんで……」「僕なら絶対断りますもん」。

 三奉行も、水口さん・港さんは「もうやるしかない」、今回の女奉行・渡辺は「未知の世界を観たいです」と追い詰めます。その上、くりぃむは「仕事はブッキングだけです」と突き放すしで、さんま師匠はボロボロ。一応、上田が「途中でMCを交代する」という企画性を提示しますが、さんま師匠は恐れるばかりです。

 ここまで出演交渉してしまった以上、もう逃げ場は無くなったさんま師匠。腹を括って、佐々木アナの「判定は?」という問いに

「……頑張ってみるわ

今年一番の正念場です。果たして。試作は来月ぐらいかな。たーのしみー。