「お台場明石城 120 万石」
説明しよう!
関東ローカルで細々やっていたフジテレビの深夜番組「お台場明石城」。新人、ベテラン、外注のディレクター達が、ゴールデン進出をかけて番組企画をプレゼン・試作する番組。
そんな「お台場明石城」進化型、名付けて「さんまの動く城」プロジェクト(勝手に命名)の第一弾がとうとう始動!それこそがこの、生放送「 120 万石」なのである!!!(中江真司さんの声で読むように!)
番組オープニングでは、なんと岸田今日子さんが今までの経歴をナレーションで紹介。なんという無駄な使い方!!番組の形式は、ホントは新進の将来有望ディレクター・武田誠二が担当するはずでしたが、諸事情により無かったことにされ、今までの放送で好評だった 3 つの企画を再試作。その三つの企画とはコレ!今までの企画の感想文も添えてお届けします!!
- 「さんま・直子の『わたしたち結婚します』」
「ウソツキ関西人」「できちゃった結婚」と数々の名をもつ出口ディレクターの企画。
結婚を目前にしているカップルに、「離婚と言えばこの人」さんま師匠・飯島直子の両名が「この人達は結婚しても大丈夫か?」を判定する番組。
初回プレゼンでは、おばあちゃんを担ぎ出しての卑怯なプレゼンを展開した出口。今回は、嫁である梅津アナを自分の実家に中継に行かせ、両親に懇願させるというまたまた卑怯な作戦を実行して、オンエアを狙います。更に、誰も望んでない自分達の結婚式の映像までも持ち出し、準備は万端。
- 「さんまの天下一闘技会」
本業は政治部の記者という高田ディレクターの企画。
芸能人同士が、自らの持つ『無駄な才能』で争う企画。
プレゼン時同様、こちらも民主党党首の応援VTRまで持ってきて気合が入っておりますが、本人は緊張の余り全力で空回り。
なんと同期の次長課長、野性爆弾、そして元相方(現在会社員)がなんばグランド花月前で応援。元相方に寄れば、お笑い辞めた理由は「限界だったから」!イェイ!
こんな三企画に加え、番組試作第一号だった、コイツまでも登場。
「メントレG」などを担当する太田ディレクターが自信を持って送り出した企画。
お年寄りに今までの人生を語って貰い、冥土のみやげにしてもらうという縁起が非常に悪い番組。
放送当時、「このタイトルではスポンサーが付かない」「この内容でゴールデンは無理」と判断されたのにも関わらず、懲りずに登場。しかも、番組内で登場した富子さんまでも登場させ、富子さんに「VTRどーぞー」とフリをさせて無理矢理見所VTRを流すという暴挙にまで出る始末。
この三企画を審査するのは三奉行こと、「視聴率の責任を負う男」編成局局長・水口さん、「内容の責任を負う男」バラエティ制作センター室長・港さん、「何ら責任なし」ゼネラルディレクター・三宅恵介と、昔懐かし(?)武田の企画で大活躍だった名キャラクター・経済評論家・佐藤治彦さん、そして我らが城主・明石家さんま師匠!進行役は佐々木恭子アナ!
更に、各県視聴者に一名ずつ隠密を派遣。人の家で番組を観て、観ていることをケータイで合図を出す……というものでしたが、 5 つの県だけという最初の結果に続き、二回目には 4 つになり、途中から無かったことにされておりました。
記念すべき、一本目の企画は、水口さんの「最初は『マシュマロヘッドパーティ』で」という提案を軽やかにスルーし、既にセットが用意されている「天下一闘技会」に決定。
今回の対決は、前回のチャンピオン・かつみさゆり・さゆりと、挑戦者・青木さやかとのピアノ対決。さゆりは今にも泣きそうな顔で「心臓が頭の上にある」程緊張し、青木もさんま師匠曰く
「水着を逆に焼いたみたい」
と言うほど、不可解なベージュのドレスを着て、人を殺してきたような顔で緊張しております。しかし、高島彩アナに対する悪態だけは崩さないその姿勢が素晴らしい。
「めざましテレビの占いで『勇気有る挑戦は報われる』と高島さんに言われた」さゆりは自作のオリジナル曲(審査員の服部先生は「漫才なんかやめちまえばいいのに」と大絶賛)とショパン「英雄ポロネーズ」で勝負。対する青木は、ショパン「幻想即興曲」と「冬のソナタ」のテーマと「アミダばばあの唄」のメドレーで対抗。「幻想即興曲」でミスをしまくった所為で、本気で涙ぐむ青木という珍しい画も。
結果は、服部先生はさゆり、さんま師匠は青木に入れ客席投票に。そして、青木が見事勝利。青木が優勝コメントをしようとしたところでCMに入るという生放送ならではの展開。
三奉行の評判は一様に「良かった」。三宅さんは「異種戦も観たかった」と余計なことを言っておりました。しかし、佐藤さんだけは「青木さんは意外性がない」と自らが譜面を取り出します。まさか、これが最後まで引っ張られるとは夢にも思いませんでした……。
二本目に行こうとすると、再び富子さんのVTRに。しかし今度は、富子さんの隣にさんま師匠曰く、
「お年寄り専門の詐欺師や」
なシルエットが。そのシルエットの正体は、焼酎をかっくらいながらババシャツに股引姿の笑福亭鶴瓶師匠!この男も、まさか最後まで引っ張られるとは夢にも思いませんでした……。あまりのしっちゃかめっちゃか振りに、さんま師匠
「 27 時間テレビかと思いました」
曰く、「 10 何年前に司会やったときのこと思い出します」だそうです。そこまでかよ。
二本目は、出口の「わたしたち結婚します」。今回登場したカップルはバカップルを超えたバカップル。さんま師匠と飯島さんが口を揃えて
「こういう人に会ったことない」
と言う程の人材です。笑う度に顔を見合わせ、ツッコまれる度に顔を合わせて爆笑、基本タメ口。あまりのアレっぷりに、さんま師匠
「誰かに呪いかけられてるんちゃうか?」
と言います。しかし、二人は動じず。飯島さんがフォローを入れれば
「ナイス直ちゃん」
勝てない。こんな奴らに勝ちたくない。「(子育てが大変でも)親が居るもん」と言い出す二人には、流石のさんま師匠も二人の親として
「そんなんじゃ子供産んだらあかん!」
と説教するものの、それさえ笑って交わされます。ここで、飯島さんの名台詞。
「(今の状態で)もし産んでも五年後には一人で育ててると思う」
その他、夜の生活どうこうを論議(というか最強のノロケ)し続け、締めの佐々木アナのお言葉は
「ろくでもない話を聞いて来ましたが……」
素晴らしい。
評判はさんま師匠「カップルに持ってかれた」、水口さん「やっぱり下ネタだったけど面白い」、港さん「面白い」、三宅さん「さんまさんがまともに見えた」と好評。出口のご両親も大喜びでしたが、お父さんが「作品が活きたと思います」とか言い出すので
「お宅、誰なんですか?」
とさんま師匠は疑問を持ってしまうのでした。出口一家こんなのばっかか。
勝手に佐藤さんがピアノのスタンバイをしていく中、「マシュマロ」出演者のおぎやはぎ・矢作、劇団ひとり、蛭子が乱入。「早く『マシュマロ』流して下さいよ!」と揃って訴えに来る中、今度はサブに鶴瓶・富子コンビが登場。「『冥土のみやげ』流せよさんま!」と、ババシャツのオッサンが叫びます。何の番組だ、これ。
結局、鶴瓶のマラカスと、どこからかやって来たアコーディオン奏者をバックにして富子さんが熱唱しているのを放っておいて、三本目として「マシュマロヘッドパーティ」を放送。今回の回答者は、劇団ひとり、清水ミチコ、矢作、佐藤江梨子、蛭子。
前回の連想ゲームが削られ、「しりとり」から開始。そのルール説明で噛んでしまった戸部アナ、なんとさんま師匠に抱きついて誤魔化し。おお、今日の戸部アナは気持ち悪くないぞ!!(誉め言葉)
「しりとり」のお題は「言われてヘコんだ言葉」。個人的にウケたのを羅列。
「よーく考えて、ダメだったら帰っておいで」
- 矢作
「ネットでものすごい叩かれてたよ」
次のゲームは「あかしやディクショナリー」。これもウケたのを羅列。
- 「あ」デキる男の条件
劇団「あぶら取り紙をスッと差し出す男」
矢作「アジアの大砲と呼ばれる男」
蛭子「阿蘇山に登る男」
清水「朝っぱらからブランデーグラス」
さんま「それアル中!」
- 「か」辛かった思いで
矢作「桂三枝師匠と一緒に洋服を買いに行った」
さんま「嬉しかったわ!」
蛭子「帰る家が無かった」
劇団「かかしに向かって喋ってた」
- 「し」結婚したい女性のタイプ
清水「しのぶちゃん」
劇団「職務質問に動じない人」
矢作「しじみをもの凄く安く手に入れられる人」
矢作「しってるけを思い出し笑いする人」
- 「や」言われて涙が出そうになる言葉
劇団「やめてください!それ以上笑わせたらみんな死んじゃいますよ!」
蛭子「ヤクザより優しいね!」
劇団「野菜が全滅です!」
矢作「ヤバイ、あんたと遊んでる場合じゃなかった」
蛭子「弥生時代を探検しましょ?」
劇団「野鳥の会がこっち見てます!」
劇団「安田大サーカスがさんまさんのこと誉めてましたよ」
結局、優勝は劇団。おめでとうございます。
試写後、蛭子が「自分達で観てる分には面白かった、ピアノよりは」と余計なことを口走ります。谷口の応援に来た、同期の次長課長・河本は
「面白かったですけど、同じ同期やったら呼べや!!」
ともっともな抗議をするのでした。
その頃、サブでは鶴瓶……というか悪瓶がスイッチャーの仕事を奪っていました。赤ら顔で狂ったように笑いながらスイッチをいじくりまくり、カメラがポンポン切り替わりますが、その間ずっと悪瓶は「『冥土のみやげ』やれや」と言い続けます。お前は何にも反省してねぇな!!
結局、大人の解決が図られ、もう一回「天下一闘技会」を実施し、審査員席に富子さんが参加と言う形に。青木曰く、
「知らないおっさんが出てくるから……」
と混乱気味。しかし、それでも青木は「エリーゼのために」と「アミダばばあの唄」をメドレー化して弾ききります。対する「知らないおっさん」こと佐藤さんも陶酔しきった顔でクラシック曲(曲名分からず。すいません!)を演奏。
技術的には大差なかったのですが、残り時間無さ過ぎなのと知名度無さ過ぎなのと出で立ちがキモかった(関係ない)ので、青木が圧倒的勝利。そのままエンディングに入ってしまったため、「マシュマロ」のフリだけのために呼ばれた劇団、矢作の二人が「もう終わりだよ……」と呟く声がノイズのように鳴り続けるというエンディングに。最後はなんか、出演者全員(鶴瓶除く)で手を振って大団円っぽかったですが、その実、何の解決も進展もしないという恐ろしいエンディングとなったのでした。
いやぁ、ここまで混乱して混沌とした生放送は 27 時間テレビ……いや、「フジテレビ大反省会」以来です。その上、色の違う企画が四つ(メインスタジオ分も含め)入っていたためにさんま師匠パワー全開。色んなタイプへの変形もして、なんか色々大変でした。
事前に期待したよりず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと面白い出来で、正直今感動してます。故にこんなテンション高い感じになってしまいました。こんな混乱した生放送毎回やられたら困るけど、季節モノ(?)としては大歓迎。これから「動く城」がどう動いていくのかは分からないけど、取り敢えず先行きはかなり楽しみになりました。次も宜しくお願いします!「フジテレビ反省会」を復活も宜しく!
っていうか、武田は?いい加減、ここまで影も形もないと逆に不安なんですけど……もしかして会社辞めさせられたとかじゃないよね?う〜ん……折角の金の卵なのに……。