「稲葉浩志 LIVE 2004 〜en〜」
- 出版社/メーカー: ビーヴィジョン
- 発売日: 2004/12/22
- メディア: DVD
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去年行われた、稲葉浩志初のソロツアーの模様を収録したDVD。僕はこのライブ行けなかった上に、ライブレポート等も全く読んでない(というか見当たらなかった)ので、本当に真っ新な状態で観ました。
正直なところ、「Peace Of Mind」に付いていたDVDに収録されている様子や、夏フェスでの大酷評など色々ありまして、事前の期待値は高くなく、むしろ低かったぐらいでした。しかし、実際観てみると……なんというか、その低い期待値を裏切るわけでもなく、かと言って失望するわけでもない大変微妙なライブでした。
観始めて一番最初に思ったことは、「とにかくステージが広い!」ということ。そりゃあ武道館だったりするんだから広いのは当然なのですが、メンバーの位置が余計にそう感じさせたのです。
このDVDのメニュー画面で、稲葉浩志とサポートメンバーの計 5 人が横一列に並んでる写真が出てくるのですが、それが思った以上に「グループ」としてまとまってる印象を受けたのです。「もうこの 5 人で『稲葉バンド』ってことでいいんじゃないの?」という具合に。
ところが、いざステージになると、稲葉以外のメンバーはステージ後方の定位置で全く動かず、故にステージ前方の広い空間は稲葉ひとりで走り回る形になっていて、まるでソロ歌手が歌番組に出てきたときの様な図に。
まぁ、確かにソロ歌手だし、これはこれでソロライブの形としては正しいのかも知れませんが、個人的には非常に惜しい。折角あれだけ「新しいバンド」としてまとまってる印象を受けたのに、肝心のライブでフロントマンと距離が空いてるのでは、楽しみ方も大分変わってくるってものです。それに、稲葉一人ではどうしてもあの空間は広すぎて、たまに上からのアングルになると風景がもの凄く寂しくて若干醒めます。
更に、演出も微妙。だって、ライブ始まっていきなり稲葉浩志ドアップ百面相とかやられても……。他にも、外国人女性とくんずほぐれつだったり、ボクサーコスプレだったりと、どれこれも反応に困るものばっかりで、どうしていいか分かりません。
全体的に、ライブとしての方法論というかそういうものが、B'zのときと大差ないんですよ。本当に「ただ、松本孝弘が居なくてB'zの曲をやらないだけ」という印象なのです。しかし、稲葉の曲というのは基本的に良くも悪くも地味なので、B'zの良くも悪くも過剰な演出と合わさってしまうと、どうしてもこっちの方が見劣りしてしまうのです。
そう言う意味で、あまりにも「見せ方」に工夫がねぇなぁ……とちょっと残念になるビデオでした。パフォーマンス自体は、声も通っているし、後半になればなるほどノってきて、若干サウンドは弱いような気はしますが、「Peace Of Mind」のDVDとは比べモノにならないものを披露してくれているだけに、どうせだったら「稲葉ソロライブならでは」の見せ方というか方法をここでいっちょ示して欲しかったなぁ、と惜しい思いです。
別に稲葉ソロなんだから、極端な話、走り回らなくたっていいわけですよ。すっごく狭いステージで、 5 人がぎゅうぎゅうに座りながらのライブだって全然かまわない。寧ろ、「マグマ」の曲なんかはそっちの方が合ってますし。そういう、「B'zでは観られない稲葉」ってものを、もっと意識して欲しかったなぁ、と思います。勿体ない。
選曲に関しては、僕が稲葉ソロで好きな「風船」や「台風でもくりゃいい」、「炎」等の曲が軒並み演奏されなかったのが単純に残念。稲葉のピアノ弾き語りなど、色々観たかったんだけどなぁ……ホント、色々惜しいです。
あと、もうライブにドキュメント挟むのは止めてくれ。折角二枚組なのに、なんでTMGみたいにライブ盤とドキュメント盤を分けないの?意味が分からない。