「イノセンス」


 取り敢えず、いくら田舎のショボい映画館とはいえ、観客が 7 人という壮絶さは何なんでしょうか。ちゃんと全国的にちゃんとヒットなさってるのか勝手に不安になってしまいました。

 内容の方は、ビジュアル的にはもうごめんなさいってなぐらいに美しくて、正直グゥの音も出ないのですけど、やたらと聖書やら孔子やらの引用が多くて、一人一人の台詞に神経を尖らせなきゃ理解が追いつかないのは、少々疲れました。

 で、基本的な話の流れは原 作 一 巻・第 六 話「R O B O T R O N D O」と同 じなのですね。てっきり完 全オリ ジ ナルかと思っていたのですが。

 ただ、番線番組とかでやたら喧伝されているこの映画の主題って、原作でフチコマの台詞一言で片付いてしまっていることのような気がして、バトー、トグサ、更には少 佐まで巻き込んで模索するほどのものなのかなーと言う気がしてしまいました。あと、この映画全体があまりに抽象的で、僕のような輩にはちょっと分かり難い映画でした。

 あと、全然関係ないのだけど、これ観てるとき、僕の斜め前の男の人が、何故か観てる間ずーーっとラマーズ法で呼吸してて、集中力を三割ぐらい奪われた。こう書くとネタっぽいですけども、あなたもやられてみなさい、斜め前で「スッスッッハー」って。殺意芽生えるから。