B'z「Typhoon No.15」

 「ダンバイン」に出てくるゲア・ガリングそっくり(分かりにくい)なセット。場所は静岡県渚園。 2003 年 9 月 20・21 日に行われた「B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME !!"」の様子を収録。DVD特典ディスクとして、メイキングなどのドキュメンタリー映像付き。

 確かこのライヴは、ファンクラブ限定だか優先だかだったような(違ってたらすいません)。それ故か、観客がいつも(今までリリースされたビデオ)以上に濃ゆい。コール & レスポンスは恐ろしいほどに正確でバラけない。誰が決めたわけでもない振り付けも、やはり恐ろしいほどに正確でバラけず、その様子はまるで宗教団体(禁句)。

 ライヴの内容も、その殆どが過去ツアーの演出・楽曲のリバイバルで構成されており、「あのツアーのあの演出を、再び!」的な、非常にファンサービス的なもの。これは、このツアーが「Pleasure」というアルバムツアー以外のお祭り的ツアーが今回で「Final」である特性故であるが。

 書いておく。このDVDについて、自らをいくら叩いてとも一切悪評は出てこない。所謂、「諸手を挙げて全肯定」という奴だ。正直なところ、文句の付けようのないくらいの内容だった。演奏は文句無いし、選曲もちゃんと新旧折り混ざってバラエティに富んでいる。演出もハズしてない。更には、サポートメンバー(特に増田さん!)のMCまで入っている。ああもうわしゃ幸せじゃーてなもんである。素晴らしい。

 「何でよりにもよって徳永暁人連れてったんだよ……渚園だったら明石昌夫さんしか居ないじゃんよー」とか、「何で『LOVE IS DEAD』とか、7thの曲カットしてんだよ!」とか細かい、それこそミジンコみたいな不満はボチボチあるが、最後の最後で登場する、松本氏の10年振りに見ても、やはり有り得ないセンスの衣装以外は気にするほどのものでもない。

 特典ディスクも、PV撮影裏とか、レコーディング風景とか、なかなか観てた面白いものだった。時間も適正。

 ただ、上記の文章の全てには「僕がB'zファンだから」という但し書きが付くのであって、ファンでない人に薦められるかと言ったら、多分、ファンじゃない人が見たら、悪寒ものの演出は多少あるし、そもそも観客の動きに畏怖さえ覚えてしまう人も居るだろうから、薦められない。そういう意味では、いつも通りのB'zのDVDである、と言えるかも知れない。