Polaris「Family」

油絵


 「鼻歌」なアルバム。それが音楽性が云々とか、色々難しい話は僕には分からないので、そういうことを一切考えないで聴いたときの印象。

 まず、ほぼ全編のサウンドがアコースティックな所為なのと、ヴォーカルの声質のお陰で、そこにある「人の体温」が非常によく感じられます。更にそこに、広がりが加わっているので、結果、聴いている場所の空気がとても柔らかく感じてくるような音となっています。

 そういう音に乗せて奏でられるメロディが、ポップでありながら、どこか、良い意味で「地に足が着いてない」感じで、常にフワフワ、フワフワしているような印象を受けたのですね。それこそ、学校の帰り道、いい気分でいつの間にか口ずさんでいる「鼻歌」の様なイメージ。小学生とかが、友達数人と通学路で、一緒に鼻歌を歌っている横をすれ違ったときのような微笑ましさ。

 そりゃ、歌詞読めばもっと色んな意味があるんだろうし、サウンドももっと色んな意図から作り込まれていると思うのですけど、幸か不幸か僕にはそれらを表現する手段も感性も持ち合わせていない故、こういったイメージが、聴いた後非常に強く残った次第です。

 それは、15 分にも及ぶ大作「瞬間」も同様で、僕がこの曲を全く長く感じないのは、そういう「鼻歌」に対する「昔歌った懐かしさ」や「今歌っている子を観る楽しさ」とか、そういう類の色んな感情が想起されて、引き込まれずにはいられないからの様に思います。これは、楽しくて、面白いアルバムだと思いますよ。多分、聴いてる間、色んなことがフラッシュバックする人も多いんじゃないでしょうか、なんてテキトーなことを書いてみる。

 ……ああ、全然音楽っぽいこと書いてないや……あ〜あ。