キリンジ「ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック」

キリンジのフォントがたまにきず


 これは良いですね〜良いですよ〜。



 ……なんだかそれだけで終わっても良いぐらい良いですね。僕がポップ・ミュージックに期待しているものの殆どが詰まってます。明るくて、楽しくて、時に格好良い。

 曲もロックっぽかったりファンクっぽくなったりしつつも、難しい音のループだとか延々と続くベースとか、そういうのは一切無く、ほぼ全曲、4 分弱のポップなメロディが一貫されています。サウンドも、基本はバンドサウンドで、そこにブラスやピアノが入って、とても僕好みのサウンド

 なので、綺麗なのですけど、良い意味での隙があって、僕が新作「For Beautiful Human Life」で感じたような“美術館の画”の様な綺麗さではなく、あくまでポップ・ミュージックの綺麗さ、として聴くことが出来ました。これがデビューアルバムだというのだから、すげぇとしか言い様が。

 でも、音だけ聴いてると楽しいのだけど、歌詞カードに目を向けるとちょっと手止まりますけどね。新作でもそうですが、僕が今まで聴いてきたキリンジの曲で、歌詞・サウンド含めて真に「何も考えずに聴ける曲」って殆ど無いんですね。何かひとつ考え込まないといけない感じと言うか。落ち論、極個人的な嗜好の話で、何にも悪いことではないですし、それがキリンジの魅力だと言うことも分かるのですが。初っ端の「君は月明かりとはしゃぐマーメイドさ」で既に躓いちゃうような人間なもので………。音だけだとひたすら楽しいのですけどね、