松本孝弘「華」

どう見ても日本じゃないよなぁ

 今日の記事でこれを紹介することに、何の悪意もありません。

 松本孝弘の、2002年に出したソロ・インストアルバム。

 アップテンポな曲が皆無なので、余程松本孝弘かギターに興味がある人でないと、眠くなること必至。曲のバリエーションも、大陸的なものと従来のストリング主体のバラードの2種類 + αぐらいしかなく、言ってしまえば、タルい曲のオンパレードです。

 ただ、ギターの音は実に多彩。それはサウンドエフェクト的な「音」ではなくて、一個人が使い慣れたギターで弾き慣れたフレーズを弾くときのような「音」。メカニックでは説明の付かない領域での「音」が、このアルバムを彩っています。

 一応、このアルバムの構成として、ギターを「主役」ではなく「オーケストレーションの一員」と見なして「ギター」ではなく「曲」を聴かせようとする構成になってはいます。

 そのため、胡弓にチェン・ミン、ミキシングにスティーヴ・ヴァイを迎えたりしているのですが、正直バックトラックの作り込みには結構不満があったりします。しますが、それでもギター一本が曲を支えてしまっているこのアルバムを、ギター大好きの身として好きにならないわけにはいかない、と言った具合の1枚です。