山木秀夫「Q」

 アルバムとは言っても、4曲しか入ってないんですけどね。

 しかし、4曲しか入ってないのにも関わらずサウンドのバリエーションは様々、ポップチューンにハードロック、更にはテクノまで。後藤次利氏の作曲とベース、打ち込みが光っております。

 でも、やはりドラマーのソロアルバムであるだけあって、ドラムのサウンドがもの凄く前に出ています。ギターよりも。ドラムですから、メロディは当然無いのですけども、手数が多くて強弱が巧みな山木さんのドラミングは、「カッコイイ」のひとこと。

 何より格好いいのは、9分もの演奏時間の間に、顔を何度も変えてしまう「HAMMER」。テクノみたいなイントロから始まり、途中でギターが参加し、最後は派手に終了。うーん、格好いい。

 松本孝弘プロデュース・作曲の「CAESER'S SORROW」は、最初「TAKE A LOOK AROUND」かと錯覚しますが、リフが途中途中でっかく鳴る以外は、至って謙虚にプレイする松本孝弘と、メロディの変わりにグルーヴで曲のメインを堂々と演じている山木さんという、なかなか良い曲でした。

 僕にとって、「ギターに支えられているドラム」というなかなか珍しい音風景を堪能できる1枚でした。