「オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー」

 史上最悪映画である「ディケイド」よりは、オリジナルキャストを多少連れてきたことでマシにはなっているけれど、作劇、及び根底に流れるなんかイヤーな感じは相変わらずだった。もう形だけの「記念映画」とかやめようよ……。

 「ディケイド」のときも散々書いた気がするけど、「オールライダー」(今回の場合、キカイダー達もそうだけど)を記号で扱うのはやめてくれませんか。ライダーはスーツだけありゃいいってもんじゃないでしょう。一年(物によっては半年)の積み重ねって、引いてはあなた方の苦労じゃないのか。それ全部無碍にしてるけど、いいのかそれで。ガワだけあればいいのかよ。

 そもそも、本郷猛を連れてくる前に良太郎連れてこいよ

 大体、「記念映画」で「 40 周年」の映画で、「少年仮面ライダー隊? カッコワルー」という台詞を書ける神経って何? リスペクトする気がないなら、中途半端に過去の模倣なんかしなくていいと思います。

 作劇上の問題は挙げればキリが無いけれど、取り敢えず「あのオチだとすると、最初に出てきたナオキは一体何者なの?」という恐ろしいパラドックスが解決されてないんですけど。考える気無いなら、タイムパラドックスなんか扱わなきゃいいんだ!

 ……藤岡佐々木ボイスで「待てーぃ!!」と来て、あの曲が流れたときは、「こういうことを『The First』でやって欲しかったんだよ!」というのも含めて鳥肌は立ったよ、正直。

 ただ、「ディケイド」のときから相変わらず、冷徹なほどに全てのヒーローはシリーズが終わった瞬間に「商品」になるのだな、ということを見せつけられた気がして、また何か悲しい気持ちになった「記念映画」でした。

 あーあ、折角 Twitter で、特撮出身者の心意気に感動した矢先なのになぁ……。