「仮面ライダー THE NEXT」

 「THE FIRST」で懲り懲りだったけれど、予測だけで「ダメ」というのもイカンよなぁ、ということで勇気を持って鑑賞。

 そして絶望

 製作側が「仮面ライダー」というものに対して「ブランド」以上の感覚を持っていないことは、「THE FIRST」及び現在放送中の「ディケイド」で痛いほどに思い知らされているので、キャラクターの扱いに関してはもう何も言うまい。僕自身の原体験である「BLACK」「BLACK RX」をあんな扱いされた後だけに尚更。いいんです、いいんです。「 V3 反転キック」はちょっとカッコ良かったし。

 お話としても、「追われる身でも身分証明全開の主人公」だとか、「学級崩壊の描き方が昭和」だとか、「改造手術までして洗脳してるのに、たった一言で改心って何?」とか、「登場人物全員、脳内にナビでもあんのか? というほど都合良く都合良い場所に現れる」だとか、「怪奇と言えばワープしても構わないの?」だとか、相変わらずそこかしこでズタボロ。ビジュアル面でも相変わらずマスク装着は頭痛がするほどマヌケだけど、いいんですいいんです。決めポーズがカッコ良かったし。

 ただ。

 物語中では、ショッカーの大作戦とそれに付随した怪奇事件が同時進行するわけですけど、恐るべきことにこの「怪奇事件」、最終的にショッカーも仮面ライダーも関係ないんですよ。ンなバカな!

 いや、大本は「ショッカーの改造した怪人」な訳だから全く関係ないわけでは無いんだけども、仮面ライダー達がああいう決着をした上で、ああいうオチってことは、それはつまり、アレは本当に怪奇的なアレってことですよね? 解釈間違ってたら申し訳ない。

 そんなの、別の映画でやって下さい

 こういうのがどういう受け止められ方しているか分かりませんが、僕としてはこうして同時進行で(しかも直接的に V3 を絡ませて)描いている訳だから、それがどう「仮面ライダー」の物語として収束していくのか、に注目しちゃうわけですよ。それなのに、延々と V3 の独り相撲古臭い友情ポエム合戦を見せられた挙げ句、あんな常套手段のオチで全部おじゃんにさせられて、じゃあ一体この 2 時間弱は何だったの? って話ですよ。

 別にヒーローがボスを倒したから世界は平和に! ってことにしろとは言わないが、だからって全部無意味にするこたぁ無いだろうよ、と僕は思ってしまうのですよ。悪いけど。

 でも、「リアルに作る」って結局そういうことなのかもな、っていう気もしてきたな。いいや、もう。どうでも。