(新)「14才の母」

 去年一番ハマったドラマである「女王の教室」の神田役・志田未来主演で、ついでに生瀬勝久北村一輝も出ちゃって、最終的に次長課長・河本も出るよ! となれば、まぁ観ないわけには行くまい、ということで視聴。因みに、よく「関連作品」としてあちこちで言及される「金八先生」の該当回は、金八先生」が死ぬほど苦手なので観てません。

 軽い話題は最初に済ませておこう、というわけで一番最初に河本に関して触れておくと、流石に達者でありました。ありましたけど、こちらが「ちゃんとした人物を演じる河本」に全く慣れていないというのもあって、ちょっとした言葉の端々に「井上にツッコむときの河本」や「モノマネを振るときの河本」を想起してしまって、そこは多少(極個人的に)辛かったです。ま、観ていく内に慣れるんでしょうけどね。

 本筋の方の話をしますと、「命の大切さ」の象徴に拾い犬を使ったり、絵に描いたような不良の登場のタイミングと絡み方、室井滋のキャラクターなど、「あざといなぁ……」と思う部分、逃げた先に何故か山小屋、その山小屋から浅い夜の時間に帰ってこられるとか、作劇的に「ん?」と思う部分、「次長課長の出るドラマで『次長になった!』と喜ぶ」という「えー」な部分など、気になる部分はところどころにありましたが、基本的には予想通り凄く丁寧な作りで集中して視聴致しました。

 特に妊娠の疑惑が生まれてからの展開は、未希しか描いていないにも関わらずかなりの見応え。じわじわと不安が頭を支配していく様子もそうだけれど、判明した後も、自分では何も言わない癖に、「次長昇進」を喜ぶ父親に「自分を分かっていない」と八つ当たり気味に拒絶したり、相談する勇気が無かっただけの分際で「私は独りだ」と嘯いてみたり、「中学生」という世代のメンタリティも(全てが適切だったか、は置いといて)細かく描いていて、余計テーマが響くというものです。

 連ドラの中の 1 エピソードだったらともかく、まさかここまで堂々と看板掲げた番組で「責任の持てない子供は産むな」という結論に至るわけがないのは分かり切っているとは言え、「僕の歩く道」と違ってどういう着地点を迎えるのかがちょっと想像しにくい。そもそも「母になるまで」を描くのか、それとも「母になってから」も含めて描くのか、そこからして不明だし。

 逆に言えば、それだけ物語に「余白」があるわけですが、さてそれをどう使うのか。結局「歩く道」同様、想像されるのを覚悟で全力で描くのか、それとも「女王の教室」のように我を通すのか。そこに注目しながら継続視聴決定です。今期は観なきゃならんドラマ多いわぁ……。