「西暦二〇〇X年四月一日、禁洒法ヲ施行スル。」

 「サークルS」に続く、ザ・プラン9のライブビデオ 2 本目(僕が観るのは)。オープニングで分かったのですが、これってもう単独 13 回目なんですね。確かプラン9って芸歴 4 〜 5 年だった筈だから、一年間に相当な数やってますよね。それとも、これが標準?

 「ダジャレンジャー」の武道館公演を明日に控える 4 人組の元に、「禁洒法」、つまり「ダジャレ」を禁止する法律が明日から施行される、という通知を持ってくる一人の男。ダジャレを禁止された 4 人は、なんとか公演をするために様々な対策を練るが……。

 「サークルS」と同様……というか、多分プラン9の公演全部がそうなんでしょうけども、一本の芝居形式になっております。

 「サークルS」のときも言ったと思うのですが、個人的嗜好として、「舞台芝居」という奴が本当に苦手で、特に如何にも「台詞を喋っています!」というような芝居はかなり苦手です(文章では、なかなかニュアンスを伝えづらいのですけども……)。プラン9の場合、そういう芝居がコント調の部分とハッキリとON・OFFで分かれているので、余計にその苦手感が強調されてしまうのです。これは相性の問題なので、どうしようもないのですが。

 そんなわけで、決してザ・プラン9と相性が良いとは言えない僕ですが、このビデオはホントに面白かったです。「サークルS」より断然こちらの方が好み。

 と言うのも、「サークルS」は「芝居の中に笑いを組み込んでいった」印象なのに対して、こちらはコント部分では徹底的にコントしてくれるからです。その部分では、本当に笑いしか無いので、こちらも余計なことに気を取られずに観られる訳で、舞台芝居とか気にする必要も無いく、僕としては本当に面白く観られました。

 まぁ、芝居部分に入ると、相変わらずそういう芝居に入る上に、話が話だけに若干無意味に気恥ずかしさも感じたりするのですけど、その芝居部分でちょくちょく入れてくるボケのヒット率の高さも凄まじいものがあります。

 そんな感じで、笑いに関してはもう文句なく笑わせて貰ったのですが、話そのものは……う〜ん……。これも完全に個人的な感想ですけど、これってある意味「夢オチ」に近いような気がするのです。「それじゃあ何だっていいじゃん〜」というか。

 狂気の大オチに霞んでいるけれど、この「禁洒法」自体の処理の仕方がなんというか……まぁ、「どんでん返し」と言ったらそれまでなんですが、それにしても別に新しい方法という訳でも無いし……何か、「ホントにそれで良いの?」という感じが残ってしまうのです。まぁ、僕個人が映画にしても漫画にしてもこういう手法があんまり好きじゃないってのもあるんでしょうけど。

 要は、僕が色々慣れてないってことなのかなぁ……という気がします。取り敢えず、面白いビデオではありました。