士郎正宗「攻殻機動隊(1)」

 「似非と現実の日記」の渡瀬さんの影響でこの間全巻を大人買い。金欠。つっても三冊だけども。因みに、僕の攻殻機動隊についての知識は、押井守監督「GHOST IN SHELL」は未見、現在日テレでやっている「STAND ALONE COMPLEX」のみ。

 で、一巻。攻殻機動隊設立から「人形使い」と草薙素子の融合までのストーリー。

 正直なところ、欄外にビッチリ書かれている士郎正宗本人解説が非常に鬱陶しくて、技術的な解説だとか裏設定の解説だとかならまだしも、たまに「ここの描写はこうしてあるが、実際は◯◯◯だからこれは有り得ない」とか、自分で自分に茶々入れるので、野暮ったいことこの上ない。

 そんなわけで、解説を全部無視して読んだのだけど、いやぁ面白い。キャラクターの殆どが「STAND ALONE COMPLEX」とは印象が違うので(特に草薙)、最初は戸惑ったが途中からは全く気にならなくなって、逆にこれを読み終わった数日後に観た「STAND ALONE COMPLEX」の方に違和感を覚えるという始末になった。

 91 年の作品だからかどうかは知らないけれど、機械類の描写にはディティールまでもの凄く凝っていて、今観ても新しいのだけど、人物の方はどうしてもある種の「古さ」が拭えないのは仕方がないところ。

 個人的に気に入っているのは思惑が絡み合った末の結末がシビアすぎる「JUNK JUNGLE」と、フチコマの魅力全開の「ロボットの反乱」。